つがる
サンつがる 10kg
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【収穫期】8月下旬〜9月中旬
【特徴】採りたてはシャキシャキとした歯ごたえがありますが、あまり置いておくと、そのシャキシャキ感がなくなってしまいます。ですので、お早目にお召し上がりください。贈答の際も、早めの消費をお薦めしてください。味は濃いというよりは、さっぱりとした味でみずみずしいのが特徴です。味はふじよりは劣りますが、市場にりんごがあまり出回ってない時期の出荷ですので、それだけで価値が高いです。
つがるは、青森県りんご試験場(現・地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所)が、育成した品種です。 試験場では、1930(昭和5)年に、ゴールデン デリシャスに、ある品種の花粉を交配したのですが、組み合わせを書いたラベルを紛失し、ながらく花粉親が不明でした。花粉親不明のまま、生じた実生から1943年(昭和18年)に選抜されました。しかし、1990(平成2)年に、弘前大学の遺伝子診断の結果、花粉親は紅玉と特定されました。
選抜当初から味がよいりんごであると注目されましたが、収穫前の落果が多いこと、当時冷蔵庫が未発達で保管のため普通の倉庫におくと果実表面に油が浮いてくること、色もあまりよくないなどの理由から、民間の育種同好会の強い賛同も得られず、また、育種の主担当者の徴兵などもあり、命名・登録が延び延びになっていました。しかし、いろいろな場所で嗜好調査のために一般の人々に食べてもらいますと圧倒的な人気があったということです。しかも、県外では、8月に採れる味のよいりんごとして、ゴールデン不明、不明7号、高月、紅林、早生ふじなどの名で注目されはじめ、特に長野県では栽培が盛んになっていきました。 これらのことから、青森県は1970(昭和45)年に青り2号と仮に命名し(韓国では今でも Aori という) 、ついで、正式な名称をつがるとすることに相談がまとまりましたが、梅沢村(現青森県五所川原市梅田)の故前田顯三氏が独自に育成した津軽という名称の品種があることがわかりましたので、前田顯三氏育成の品種を管理している孫の前田榮司氏の了解を得て、平仮名でつがると命名し、1973(昭和48)年に登録申請、1975(昭和50)年に登録されました。大きさ300g前後で、果形は円~長円形です。紅玉の子どもですが、酸に強みがなく、弱い酸が甘味をより引き立てている感じです。肉質もよく、多汁で、早生りんごとしてはうまい品種です。着色に難点がありましたが、芳明つがるをはじめ、つがる姫、ひらかつがる、みすずつがる、美光などいろいろな着色系の枝変わりが発見され、味、形、色とも素晴らしくなりました。
青森県りんご試験場にお願いして、在来からあるつがると、同じ畑に植栽されている着色系枝変わりの芳明つがるの果実を、同じ日(2003年9月8日)、同じ時刻に採取して比較してみたのが最初の写真です。